プロローグ
コストコで購入した防犯カメラシステム一式(SWNK-876804)を使っていますが、ある特定のオペレーションをした際からNVR(レコーダー)が再起動を繰り返す事象となり、日本代理店に送って交換などしてもらっても同じ条件下で事象が再現することがわかり自分なりに調査した内容を備忘録として記事にしました。




環境
接続環境
ポンチ絵ですが、ざっくり下図のような接続構成です。

NVR本体はBuffaloのルータに直接接続されています。
PoEでのカメラ接続は3台で、壁のローゼットを介してCH1〜3を接続しています。
CH7と8は室内に設置してあるTP-LinkのTapo C210を2台接続しており、録画はTapo本体のmicroSDでしています。
これらは単純にSwannのアプリひとつからTapoの映像も見たいがために設定しています。
同じネットワーク上にあるLaptopとiPhoneでアプリを起動し設定・映像確認をしています。






NVR本体
System > Information
項目 | 直 |
Device Type | NVR8-8580RN |
Hardware Version | DM-443 |
Software Version | V8.1.0-20221109 |
IE Client Version | V2.1.0.225 |
IP Address | 192.168.10.0/24 |
カメラ本体
Record > IP Channels
項目 | 直 |
Device Type | NHD-875 |
Software Version | v01.00.230109.144 |
IP Address | 172.16.1.100/24 |
Record > Main/Substream
項目 | MainStream | SubStream |
Resolution | 3840×2160 | 1280×720 |
FPS | 30 | 30 |
Video Code Type | H.264 | H.265 |
Bitrate Control | VBR | VBR |
Video Quality | Highest | High |
Bitrate Mode | User-defined | User-defined |
Bitrate | 6144 | 256 |
Audio | ON | OFF |
その他
項目 | 値 |
管理PC環境 | M1 Macbook Pro macOS Sonoma 14.3.1(23D60) |
使用PCソフト | Swann Security(VMS) |
管理モバイル環境 | iPhone SE2 iOS 17.3.1 (21D61) |
使用モバイルApp | ①Swann Security バージョン 4.12.2 ビルド1390 ②HomeSafe View 2.0.1(build001) |
※モバイルAppの①は録画確認用、②はタブレットで常時表示用として使い分けています
問題事象
確認できている問題事象と解決策は以下の2ケース。
それぞれ内容が長いので、該当するケースの内容を表示してご覧ください。
事象①[重症]ライブ映像にカメラ名と時間を入れる設定をする
(1)発生条件
PCソフトでDisplay > Live の設定で[Show Name]と[Record Time]を有効化して[Save]するとNVRから応答がなくなり、ソフトの左下に[Network Connecttion Failed!]と表示されます。


実際にNVR本体から出力されている画面を見てみると、応答がなくなった時点で動作がフリーズしておりしばらくするとNVR本体が再起動していることが確認できました。

1度この状況になってしまうと、何をしていない状況でも一定の間隔でフリーズと再起動を繰り返すことになり、NVRに接続したPoEカメラはもちろん、ONVIFで接続しているカメラ含めて全て切断(NVRから認識しない)状態となります。

この状況を脱するには一度NVRに接続しているカメラのLANケーブルを全て外すのが手っ取り早いです。
おそらく問題のきっかけとなっている時間とカメラ名を入れようとしていたチャンネルのカメラが一番怪しいので、それを真っ先に抜いてみて事象が収まればそのカメラが悪さをしています。
これが故障かと思いCostoco経由で日本の代理店に問い合わせしてNVR本体や怪しいカメラ含め一式交換してもらいましたが、また時間とカメラ名を入れようとすると同じ事象となりました。
ダメ元で試した手法で解決したため、その手順を以下に記載いたします。
(2)復旧方法
復旧方法を結論から言うと、カメラ単体の初期化を行います。以降はカメラ単体の初期化方法です。
本手順では問題のPoEカメラをNVR本体ではなく自宅ネットワーク機器(ルータやハブ)に接続します。
今回使用しているカメラはPoEでの電源供給とは別にDC12V電源を個別に供給してやることでカメラに電源を供給してやることが可能になります。
電源コネクタの形状は通称「DC5521」と呼ばれているもので、外径5.5mm・内径2.1mmのものとなります。
(※よく似たもので「DC5525」ケーブルなどもありますが、それは内径が2.5mmで太くて接続できませんので注意してください)


PoE対応のハブやスイッチを持っていない方は、電源を供給するために以下のような物品が必要になりますので別途ご準備ください。2例用意しているのでご参考まで。
コンセントからDC12V電源を取れるACアダプタです、一番シンプルで使いやすいですが外の壁に設置してある場合、近くにコンセントがないと使えません。


USB Tyepe-CからPower Deriveryで12Vを出力出来るトリガーケーブルと、Type-Cから12V出力できるモバイルバッテリーを使用するケースです。
これであれば屋外で近くにコンセントがない状態でもカメラに電源供給できるようになります。


1.カメラの接続変更
まずNVRの電源を切ったうえで怪しいカメラのLANケーブルをNVR本体から取り外します。
次に抜いたLANケーブルを自宅ネットワーク内で使用しているルータやハブ(スイッチ)の空きポートに接続します。
PoEスイッチであればそのままカメラ単体で起動してきますが、そうでない場合は前述したように電源供給用のケーブルを接続するとカメラの電源が入ります。
2.IPアドレスの特定
カメラへはDHCPでIPアドレスが割り当てられますので、何らかの方法でカメラが取得したIPアドレスを突き止めます。突き止める方法の一例は下記の通り。
- ルータの管理画面などで接続されている機器の一覧を表示させ探す
- カメラと同じセグメントのWi-Fiに接続されているスマホからアプリ「Fing」等でネットワークスキャンをかけて探す
3.カメラの初期化
カメラのIPアドレスが判明したら、Webブラウザから該当IPアドレス(例:http://[IPアドレス])にアクセスします。
ログイン画面が表示されますので、User Nameは[admin]、Passwordも[admin]でログインします。

ログインが完了したら、上部の[Configuration]タブをクリックし左ペインの[System]をクリック、右ペインの[Maintenance]タブをクリックします。

右ペインに表示された中に、[Factory]という項目があり、[Restore]というボタンを押すとカメラの設定が工場出荷状態に初期化されます。
(※多分ですが、[Default]の[Restore]でもいけそうな気がします)

実行が成功して初期化が実行されると、カメラ本体が再起動してまたログイン画面に戻ります。
(※もしページが表示できませんなどの表示になってしまったら、IPアドレスが変わっている可能性があります)
4.カメラをNVRに再接続
初期化されてカメラ本体が再起動したことが確認出来たら、カメラ本体に接続した電源ケーブルを抜いたうえで、LANケーブルをNVR本体に挿し戻します。
もしこの状態でもNVR本体が再起動を繰り返す場合は、接続している他のカメラも同様に初期化をした方が早いです。
恐らくこれで事象は解決しているはず。
事象②[軽傷]NVRのカメラをRTSPでストリーミングする
(1)発生条件
SwannのNVRは、NVRに接続されているカメラの映像をRTSPプロトコルを用いてストリーミングが可能です。

簡単に言うと、Swann公式のアプリを使用しなくても他の汎用的な防犯カメラアプリでもSwannのNVRに接続されているカメラの映像を見ることが出来ます。
今回複数のRTSPプロトコルが使えるアプリを使用して映像をストリーミングしていたところ、しばらくするとNVRが再起動をするようになりました。
(2)復旧方法
このケースでは、RTSPプロトコルを使用するアプリの使用をやめれば再起動しなくなりました。
ただし今のところ解決策はなく、SwannのNVRでRTSPプロトコルでのストリーミングを常時表示させるのは実質難しいという結論に至りました。
エピローグ
記事内にも記載しましたが、この事象に悩まされて数ヶ月を無駄にしました。
そもそも根本解決はしておらず、今だに映像に時間とカメラ名は入れられていません。
もし根本解決できた方がいらっしゃいましたらコメント欄で教えてください。
更にNVR本体交換をしたので、NVR内蔵HDDに録画されていた数ヶ月分の録画データが無くなりました。
これも不満で、USBストレージを接続しても使いづらいUIでチマチマコピーすることしか出来ず、コピーの成功確率も低い(失敗確率が高い)ためデータの救済は諦めることにしました。
(※本体分解することで保証対象外になっても嫌だったので)
DIYカメラのパイオニアとの事で期待して購入しましたが、壊れるか資金に余裕が出来たらUbiquitiの防犯カメラソリューションに乗り換えたいなと考えています。
記事は以上
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